筑波サーキット攻略法


コースのイメージが出来るように、写真を載せておきます。

【第1コーナー】
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グランドスタンド前の直線の幅と、1コーナー出口の幅がずいぶん違う上、入口が55R(半径55メートル)で出口が35Rと、進むほどにきつくなるのが分かる。
これを少し大袈裟に書くことで理解しやすくしたのが下の図だ。


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初心者が、アウト・イン・アウトと言う呪文にだまされるのがこのコーナー。
アウト・イン・アウトだからと、真っすぐ奥まで突っ込んでから車体を寝かしこみ、点線のラインをとってしまうのだ。
しかし、このやり方でクリッピングポイントを目指すと、回転半径が大きくなり過ぎるうえに、図のように1コーナーを曲がりきれなくなる。
曲がりきれないからと言ってコースアウトするわけにはいかないので、程度によって異なるが、パーシャルを保って曲がるのを待つか、速度を落としてもう一度寝かしこむかのどちらかになり、これがタイムロスになる。
直線側は幅が広くてコーナーが緩く、出口側が狭くてきついためにこういう間違いが起きる。
直線の最後は上り坂になっている。合理的な走りは実線で、ここを右方向に駆け上がりつつブレーキングするのだ。
フル制動時には車体を直立に保つのが正しいが、上り坂だから、車体を僅かに倒していることによる不利は最小である。
この目的は、寝かしこみのポイント(この地点からブレーキを弱めつつクリッピングポイントへ向かう)を右側に移す事にある。
コーナーイン側との間隔を寝かしこみ直後に1メートルくらいとしてクリッピングポイントへ寄せていくのだ。
ここまでが上手く出来れば、あとはS字へ向かってフルスロットルにするだけだが、この時大事なのは、決してアウトに出すぎないことだ。


【S字】
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1コーナーの立ち上がりでアウトいっぱいまではらんではいけない理由はS字にある。
そして筑波のS字最大のポイントは、1コーナーの右カントに続き、左カント、右カント、さらに第1ヘアピンの左カントへと軽いバンクが連続することである。
これを知り、意識し、利用しないと決して速くは走れない。
クリップに向かって車体を起こしていくのだ。
オートバイはライダーが命令(入力)してもすぐには動かない。
この傾向は速度が高まるほど大きくなるから、S字ではワンテンポ早目の動作をするわけだ。

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1コーナー出口では車体は右に寝ている。これをS字最初の105Rに向けて起こすのだ。
105Rは左カントだから、オートバイが路面に対して直立すれば左へ寝たことになる。
現実にはもう少し左に倒しているが、その度合いは小さい。
で、頂点を過ぎたら今度は次の70Rのクリッピングポイントへ向けて車体を起こす。
カントに合わせて走るのである。
さて、1コーナーをアウトいっぱいにはらんで出てくるとどうなるのか。
S字の1つ目で大きくラインを左に切らなければいけないので、極端な例ではヒザを擦って左へ曲がる。
するとふたつ目の70Rもきついコーナーになり、ここでも右に大きく倒し、結局S字も遅いし、第1ヘアピンへの準備どころではなくなってしまう。


S字は緩いバンクの連続ともいえる。だからバンクとバンクの継ぎ目は小さい山になる。
図中の一つ目は曖昧といえようが、ふたつ目ははっきりした上りをもつ山といえる。
これを第1ヘアピンを上手にこなすために利用するわけだが、それは次回の課題。

第1コーナーをアウトに孕まないように立ち上がるのが前提。
第1コーナーは、右バンクのコーナーリングから車体を直立させ、左へ倒したところで終了する。
何故かと言うと、S字の一つ目の105Rの路面が左へ傾いているからだ。
そして、1コーナーを立ちあがったら、すぐさま左に車体を向ける。
こうするとS字の一つ目は緩い左コーナーとなるから、速度を高めたまま通過できる。
さらに、立ち上がりも直線的にとれるから、S字の二つ目に対して車体の向きを変える事がたやすくもなる。
これをせずに1コーナーをアウトいっぱいで立ち上がると、S字の一つ目で左へ深くバンクさせて方向を変えねばならないうえ、よほどうまく一つ目の立ち上がりラインを調整しないかぎり、S字の二つ目も右に深くバンクさせなければならない。
こうした走り方になるのは、1コーナーを立ちあがって素早く向きを変えていないからだ。
おまけに、S字の一つ目へ向かってシフトアップしながら寝かしていくと、接地点がタイヤサイドに移るためギヤ比が下がってさらにエンジンの回転が上がり、高まった出力で後輪が流れる事もある。
冬季、S字で発生するハイサイドの原因の多くがこれである。


【第1ヘアピン】
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第1ヘアピンの進入はコース幅の中間あたりから。
ここも第1コーナーと同じで、コース幅の広さに惑わされてアウト・イン・アウトののラインを取ると大回りとなってタイムロスすることになるから要注意。

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S字に路面の継ぎ目が二つある事は前回説明した。
S字の二つ目のコーナー立ち上がりに2本目の継ぎ目があり、これははっきりと上り坂だ。
その先が第1ヘアピンなのだから、主要なブレーキングとシフトダウンはこの継ぎ目の前までで済ませてしまう。
フルブレーキングしながらのシフトダウンを継ぎ目の頂点で行うとホッピングが発生して効率の良い減速が出来ないからだ。
それに、山の先で荷重が抜けた時に左へ倒すと楽。
次のポイントは立ち上がりのライン。
ここは次の右コーナーとその先のシケインと深く関連するので、そっちで理由を説明するが、ともかくアウトいっぱいは駄目である。


【ダンロップアーチとシケイン】
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第1ヘアピンの立ち上がりでアウトに出ないためには、少しだけアクセルを開けるのを待ち、車体の方向をイン側に向けるのが有効。
なぜアウトギリギリに出てはいけないのか。
理由は二つある。
ひとつは、1ヘアの立ち上がりでアウト側を行くと、突然のようにカントが無くなるばかりか、路面のやや凹んでいるところが有るためだ。
全開のギリギリでここに突っ込むとハイサイドの危険あり。
二つ目は先にある複合コーナーを楽に速く抜ける為である。

下の図が分かり易いと思うが、第1ヘアピンをアウトにはらむと、アーチ下の右コーナーへの進入速度が上がるうえ、方向転換角度が大きくなる。
走っている本人は攻めている気がしていても、遅い速度で緩く方向を変えるのと区間タイムは同じだ。しかも、その先では後者のほうが速い。

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一つ目の方向転換を大きい角度で行うと、二つ目、更に三つ目もこれに引きずられるかたちで大きく方向を変える事になるのが普通であり、タイムロスに繋がるのだ。
右下の模式図も参考にして頂きたい。
さて、第1ヘアピンを立ちあがって最初に右に寝かしこむ時点で、エンジンの回転がピーク付近にあった場合は、減速しながらシフトアップするのも有効な手段だ。
この区間はコーナリング速度重視だから、回転が高すぎるとコントロールしにくいのである。
そして、そのギアでは第2ヘアピンへ向かっての立ち上がり加速が不足するときは、その手前の左へ寝かすポイントの前でシフトダウンすればいい。
また、二つ目の寝かしこみポイントの先(車体は右にかなり寝ている)でアクセルを強めに開ける事も試して欲しい。
全日本クラスでは全員がやっているテクニックで、「意図的なハイサイド」と呼んでいる。
実際に後輪が左へ滑り出さなくとも、ここでパッとパワーをかけてそれを抜くと、車体は驚くほど軽く左へ傾く。


【シケインから第2ヘアピン】
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 シケインは小さなコーナーで通過速度は当然低い。
そこで立ち上がりで車速が乗らないうちに車体を下図の実線のように左へ向け、まっすぐに第2ヘアピンを目指す。
 これをせずに点線のラインを取ってしまうと、走行距離が長くなるうえ、曲がりが大きくなって車速も実線のラインより低くなってしまう。

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とにかくまっすぐ加速するのが2ヘアへのアプローチのポイントだ。
何度も言うが、アウト・イン・アウトだけで考えてはいけない。

 実線にしても左にバンクはしているが、点線よりその度合いは小さいから、思いきって加速していけるのだ。もし、第2ヘアピンの手前がシケインでなく、もっと高速のコーナーなら、こんなふうに急激に向きを変えることは出来ないから、この手は使えない。
このラインを、「筑波の近道」と呼んでいる。

 こうやって第2ヘアピンへアプローチすると入口ではアウトに出られないが、ここはその形からして本当のヘアピンコーナーで、入口は25Rという小ささだから、クルリと回ってしまえばいい。
そして、立ち上がりは緩いから加速に重点を置くのだ。

 このように、サーキットを速く走る為には、通過するコーナーのことだけを考えていては駄目で、その一つ手前、さらにその前のコーナーと、さかのぼって走行ラインを組み立て、1周全部でのタイム短縮を考えなければならない。
この第2ヘアピンへのアプローチにしても、素直にシケインを加速してその先の緩い左コーナーのインにクリッピングポイントを取り、2ヘアへアウトから入る点線を自然な走行ラインと考えがちだが、それではタイムアップ出来ないのである。


【最終コーナー】
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 第2ヘアピンを立ち上がると筑波で最も長いバックストレッチが待っている。ここで重要なのは、出来るだけ早く前屈姿勢をとって空気抵抗を減らすことだ。
ストレートで伏せないライダーが多いことが非常に嘆かわしい。
筑波でよく見る悪例としては、最終コーナーから1コーナーまで、尻を右に出しっぱなしというのもある。これでは早く走れるわけがない。
 もう一つのポイントは、シフトアップをいかに短時間で済ませられるかだ。
 と言ったところで最終コーナー、ここはダブルクリップ。
前半の100Rと後半の90Rのそれぞれで一度インに付くと言う事だ。
このコースでの最高速度から、同じく最も高速のコーナーに入る。
この時の減速はどうするのか。
 シフトダウンとアクセルの全閉、速い車種でもそれに軽いブレーキングを加える程度である。
小排気量車では、全開のまま突っ込んでいくことも多い。それで曲がれるのなら、その方が速いに決まっている。
 直線は速度が上がるから、これを活かしてギリギリまで突っ込み、フルブレーキングをしてから最終コーナーへ入る方が速いのではないかと考える人もいるだろうが、フルブレーキングをするとフロントフォークがいっぱいまで沈み込んで最も前下がりの姿勢となるから、そのままでは高速コーナーには入れない。高速コーナーへは前後サスがフリーな状態でないと突っ込めないのである。フルブレーキングをせず、軽度の減速で最終コーナーへ進入した方がトータルでは速いわけだ。この時はアクセル全閉。場合によっては軽くブレーキを引きずっても良い。
 重要なのは、この入口できっちり旋回状態を作る事だ。スロットルオフできちんと曲がっていくのである。こうすると、曲がる事での減速Gが発生する。
 これをうまく使って進入速度を高めるのだ。そして下図のように一度インにつき、その後パーシャルで一度アウトへ出る。というより、インベタでは走れない速度を保っているため、それではらんでいくというべきだ。
 万一進入に失敗して速度が低すぎた時は、そのままインベタでいく。
その方が距離が短いからだ。

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二つの点線は悪い例。
大外を回るライダーはまずいないが、2番目の寝かしこみが近い例はよく見かける。

 そして再度の方向転換。アクセルを開けて後輪にトラクションをかけ、次のクリッピングポイント(縁石の終わる辺り)を目指す。ここまでが上手くいけば、もうメインスタンド前の直線が見えているから、車体を起こしつつ全力加速するだけである。
 最終コーナーは、いかに高い速度を保ったままコーナーに車体を放り込めるか、そしてその速度を旋回に結び付け、旋回による減速Gを発生させることで第2の方向転換を可能にさせ得るか、にかかっている。また、第1、第2のクリッピングポイントを奥にとって、次の直線への加速を早めることも大事である。

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以上、某誌の過去の記事をパクリでお伝えいたしました。
参考になった方もいらっしゃったでしょうか?


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